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■vol.21 絵を観るということ(2009.9.8)
「人は絵を鑑賞する時、その絵の中に自分をみる。
違う言い方をすれば自分が観ている絵は、理想化された自分自身の鏡なのだ。」
僕の師はそう説いた。
この言葉にアートの存在意義を痛烈に感じた。
絵を描く者の立場からすると、なぜ絵を描くのかという問いに対して
自分自身を補完するために描くという答えに到達する。
人は誰しも不完全な存在であるが、その不完全さを埋め合わせるために
アートは存在するという考え方だ。
なんだか理由もなく、その絵を観ると感動したり心が躍ったりすることがないだろうか?
これこそ長年自分が探し求めていた絵であるかのような不思議な感覚。
そんな絵に出会うと人は雄弁になり、自分自身を語り始めるから面白い。
自分が感じたかったもの、見たかったものに気づいたときのよろこびを人に伝えようとするからだ。
鑑賞者にとってのアートとは自分自身を語るための媒介なのだ。
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